以前買った本によると、ここには桃色の貝殻の一面
に広がる浜がある、といいます。
そこにいって、貝拾いをしてみたい。
そして、遂に、やってきたのでした。
私は、緑豆あんぱん一つ、そしてバナナ一房を手に、今晩の寝床を探しに街を歩きました。
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クラビーの街から数キロメートル離れた場所の、
小さな川を渡ったところに、そのかわいらしいバンガローは建っていました。 私は201番の小屋の今日の客でした。
壁の隙間から心地よい風が入ってきます。やがて夜になると、ランプも消え、蚊帳の中で独り、静かな波のの音を聞きながら、まだ見ぬ
夢へと落ちていくのでした。
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明くる朝、私は一人の黒髪の女の子と知り合いました。
彼女は、ここからもボートはでているわよ。と言います。
私も沖に出てみたい。今まで考えてもみなかったのに、それはとっても素敵な計画に思えました。
けれど、彼女は付け加えて言いました。
ボートは二人以上でないと出ないの。
私は他のお客たちがボートに乗りたくなるまで待つしかありませんでした。
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しかし、幸運は巡ってきました。
3人の女の人たちが行きたいと言っています。
彼女たちは身軽にそのボートに飛び乗ってきました。
すぐに、尾っぽに綺麗なリボンをつけた、私たちのボートは、 沖へとエンジンがかかりました。
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その西洋の彼女たちは、魚のように泳ぎ回ります。
私はタイの船乗りと一緒にボートに残りました。
彼は一片の黒パンを私に差し出すと、残りのパンを水面にかざします。 辺りの極彩色の魚たちは一斉にやってきて、彼の黒パンを一口ずつ囓っていくのです。
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私たちはもう一つの島に着きました。
みんな楽しそうに泳いでいます。私は、水着をもっていません。 遊んでいて、知らないうちに漂流したら、鮫のごはんになってしまうと思っていました。
けれど、海は、あまりにも魅惑的すぎました。
気がつくと、私は海の中でした。身体とシャツの間に、暖かい海水がはいってくるのがわかります。
あんまり嬉しくて、さかんに悲鳴をあげていると、そのタイ船乗りが言いました。
これは私の365日なんですよ。
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