クラビー


夕暮れになって、浜辺にでてみました。

あんなにまぶしかった日差しも、もうすぐ、別のところにいってしまいます。
空はだんだん濃い茜色に染まって、私はあの人のことをひっそりと思い出していました。

クラビークラビー

クラビー

潮だけがまだざわめいています。

家にかえりましょう。
バンガローにも、明かりが灯りはじめました。


朝三時に起きて、星をみるよ。
あんなに誓ったのに、肌寒い空気に起こされてみると、
結局今は六時十分前です。

潮の引いた浜には、小さな巻き貝たちが、ちょこちょこ戯れていました。

私はハンモックに横になって、まだ少しうとうとします。
ここには波と風の音、椰子の葉の揺れる音、そして、椰子の実の落ちる音しかありません。
クラビークラビー

クラビー

もうしばらくで、この海ともお別 れです。
私は、もう一つの海岸に行ってみました。

そこには、貝の欠片でできた、サーモンピンクの砂浜が、青い海とは対照的な美しさで寝そべっていたのでした。
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