上 海
その日の朝、地下通 路をくぐって、明るい駅の外にでると、雨がやさしく降っていました。
あたりには屋台がちらほらと見えて、その肉包の蒸籠からは、白い湯気がふきだして、私はますますお腹がすいてきました。
「部屋があるわよ。」 明るい緑のジャケットを纏った、一人の小柄なおばさんが、私に声をかけました。おばさんは、瞳パッチリ、メイクもばっちり、 髪はタマネギのようにセットされていました。彼女は口早に宿の説明をはじめて、私は、うゎーこの人は本当にトットちゃんにそっくりだなー。と、ただ感心しているのでした。
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