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上海行きの夜行列車の、私の近くに、一人の尼僧が渋い藍色の衣に身を包み、座禅をくんでいました。
彼女は、書物でいっぱいの荷物の中から、阿弥陀仏のペンダントをとりだすと、お守り代わりに私にくれました。
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おじさんが、聞きました。
「 杭州に、行ったことある?」
私がありませんと言うと、
「いいところだよ。ちょうど、彼が杭州人だから、一緒に遊んだら?」 まわりの人たちは、瞳の丸く大きな少年のことを私に紹介します。
「本当にいいの?」
「いいよ。」
彼は二つ返事でした。
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駅を出ると、長身の少年が一人、私達を待っていました。
三人はホテルへ向かいました。 私の部屋は廊下の一番突き当たりです。
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二時間後、私達三人は、夜の西湖にいました。
水面は暗く冷たく、水底は、どこまでも深く感じられます。 ほとりに立つ建物は、赤や緑やオレンジの電飾をほどこされて、その姿を静かにアピールしています。
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