福州に着いた翌日、私は友人と川岸まで来ました。
靴を脱いで、川辺の砂を歩きます。あたりは木々が生い茂り、空は曇りなく、透明感のある景色です。茶がかった荒い砂は硬質で、裸足に気持ちいいのです。
「船に乗ってみない?」
彼はそう言うと、早速船頭さんに声をかけました。
エンジンがかかると、回りの水はゆるやかなうねりを作って、水面は姿を変えていきます。
水は、冬だというのに、ちっとも冷たくなく、ただ何処までも澄んでいるのです。
中州のような所に、小さなお寺があります。中庭には紅色の仏壇が植木の緑に囲まれていて、蝋燭が可愛らしく火をともしていました。
ここは、小さくて、とても風情のあるところです。
|