バスが来ると、大勢の人たちの後から、大きなバックパックを背負い、これまた大きな手提げを手前に持って、昇降口を登ります。 その時ふっと両手が軽くなって、見上げると、車掌さんが私の荷物を引き上げているのでした。 「どうもありがとう。」
空いた席に滑り込むと、私の目線の先には彼がいて、二人はバスに揺られながら、にっこり微笑みあっているのです。
彼はまだ18、9に見えて、瞳の黒はどこまでも黒いのでした。かれの浅黒く、引き締まったからだに、水色の制服がよく似合っていました。
バスがそう遠くないところにくると、私は29番に乗り換えなくてはならなくて、彼は荷物を持って私と一緒に降りてくれました。 なんだかいい旅の終わりでした。