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長距離バスの東駅で、私は友人を待っていました。
杭州は思いの外寒く、指先までコートの袖のなかにしまい込んで、行き交う人々を眺めていました。間もなく、当時の印象を残したまま、少し大人びた彼の姿が目に入りました。彼も私に直ぐ気づいて、2年ぶりの再会です。彼は私をタクシーにのせると、車は街の中心へと進んでいきました。
朝とても早い時間に、ホテルの門をでました。辺りはまだ暗く、街灯の明かりに照らされた道路掃除のおばさんたち、たまに行き交う車のヘッドライトだけが、体温を感じさせてくれました。私は西湖に向かって歩き出しました。そこまでの道は、思ったより短いように感じます。冷たかった肌も、心なしか上気してきました。
畔にでると、既に老人達がいます。私は湖を一周することにしました。歩いても歩いても、見えるのは人工灯の映った黒い湖面だけで、なんの変化もありません。しかし、湖の西よりに架かる橋に来る頃、空の色が微妙に薄くなりだしました。私の横を、何人かのマラソンマンが通り過ぎていきます。空気は硬く冷たくて、とても新鮮な感じです。
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