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橋を渡り終える頃、一組の老人カップルが私の後からきて、「私達に着いておいで」と言いました。それで、私も混じって走りました。彼らは、管理人の部屋までくると、「さよなら」といって、部屋に入っていってしまいました。 再び独りになった私は、歩く速度をゆるめて、氷のベールをまとった葉牡丹を見たり、何人かの、泳ぐ人々をあっけにとられて眺めたりしていました。 そのうちに、辺りの空がローズピンクに染まりだして、その色が青にかかる階調を前にすると、足は自然に止まりました。瑞々しい天空は、そのまま湖面に反射して、私は、西湖という名の美女の目覚めを見た気がしました。 |
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