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黄河の水は、思ったより冷たくて、思ったより綺麗でした。私は友達を真似して、ズボンの裾をたくし上げると、水に入ってみました。あしうらが水底のきめ細かい砂にあたると、とっても心地よいのです。
友達は彼女を連れて、どんどん深い方へと進みます。それでも川幅の広いここにいると、二人はほんの川辺にいるようにしか見えません。
その晩、北京に向かう私を、彼は駅まで送ってくれました。私はバイクの後ろで、左右を過ぎていく大きな建物の明かりと、活気づいている商店を眺めていました。視線が彼の背中に戻ると、それは、大人びたように、がっしりして見えました。
駅に到着すると、彼は入場券を買って、私と一緒に構内に入りました。
待合室に座って、彼の指に遊ばれているその券をよく見ると、そこには、黄河の夕景が刷られてありました。
たまにしか会えない友人との別れは、いつも辛く感じます。そして、一緒にいた日々はとても大切に思えるのです。けれど、頻繁に会える友人とも、同じくらい貴重な時間を過ごしているはずだと、今になってようやく感じるようになりました。
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