32.白須賀 - 思いがけなく急坂に遭遇した日
東海道五十三次 / 22次 藤枝宿 - 41次 宮宿 / / 2009-2014
街道一の景勝地だった潮見坂
ここまで来て、白須賀には坂があるということに初めて気付きました。潮見坂(汐見坂)というロマンチックな名前の割に、かなり急坂です。前かがみになりながら登っていきました。そんなとき、遠くに海を見下ろす光景が広がって私は少し元気になりました。
坂を上がったところに、おんやど白須賀という休憩所があるので行ってみます。足を踏みいれると、休憩所のほかに白須賀の歴史の展示がありました。白須賀宿はもともと海岸沿いにあったのが津波の被害で高台に移設されたそうです。
職員さんに。今晩は吉田宿に泊まることを告げると「ここから二川までは行けるだろうが、遅くなったりしたら吉田宿までバスが出ているから心配しなくてもいいよ」と教えてくれました。
おんやど白須賀を出るときにノートに記帳すると、横浜や東京からの来訪者が思いの外多いことが分かりました。同志がたくさんいるのだと心強くなりました。ですが、実際に東海道行脚をしている人を見かけたのは、舞坂脇本陣で出会った男性くらいしかいないのです。
時間をオーバーしていたので先を急ぐ事にしました。
さきほどの職員さんによると二川宿にも博物館があるのだそうです。もう2時を過ぎていて、もしも博物館に立ち寄ると吉田宿に着くのがとても遅くなってしまうと少し焦りがでてきました。
私は歩くペースを早め、キャベツ畑の中を進んでいきました。 横浜ではまだ見られない菜の花がそこここに咲いています。梅の花と菜の花を同日に見たのは初めてのことでした。どちらも目を休ませてくれました。