33.二川 - 軒先に藍色の暖簾と吊るし雛が静かに揺れていた
東海道五十三次 / 22次 藤枝宿 - 41次 宮宿 / / 2009-2014
吊るし雛に彩られる宿
二川宿は情緒ある旧い家が並び、鮮やかな朱色の吊るし雛が軒先に揺れていて風情がある町でした。二川宿の暖簾も多くの家に掛かっていました。新しいものは藍色が鮮やかで白い文字とのコントラストが美しいのですが、色が褪せたものも情緒が感じられてよいものです。
時間がないといいながらも、本陣宿資料館があまりに立派だったのでつい覗いてみることにしました。格式高い本陣と、江戸時代末期の状態を復元した旅籠清明屋(せいめいや)の両方見学できます。本陣にはお雛様と飾り雛が所狭しと展示されていました。
展示を見終わった頃には夕暮れが始まっていました。私は記念に暖簾を買い求め、吉田宿に向かうことにしました。そのときは、吉田の宿までの道のりの辛さを知る由もなかったのです。
二川を出ると、旧道は一般道のような通りが多く、吉田が近くなるころにはすっかり日が暮れていました。国道の明かりをたよりにかろうじてその日のホテルに着くことができたのです。
二川宿本陣
本陣はたびたびの大火に見舞われ、本陣職も何人か交代しています。最後の本陣職は馬場家が行うことになります。馬場家本陣は、間口十七間半(32メートル)、屋敷総坪525坪(1733平方メートル)、建坪181坪(597平方メートル)の建物でした。修復整備され、二川宿本陣資料館とともに、一般公開されています。