42.桑名 - 海風と遺構を辿る散歩道
東海道五十三次 / 42次 桑名宿 - 三条大橋 / / 2009-2014
JRを乗り継いで、ようやく桑名駅にたどり着きました。JRで名古屋まで出たので、一瞬現実にも戻されてしまいました。駅を降りると、小さなビルのガラスケースの中に味噌煮込みうどんなどがおいしそうにディスプレイされています。
ビルの中に観光センターがあるので入ってみると、昼時のせいか、職員さんは休憩中だったので、観光マップだけをもらって外に出ました。駅から七里の渡し跡の船着場に向かう道はとても広くて、あたりはのどかな街並みが広がっていました。船着き場に曲がる旧道は細くなり、蛤料理やうどん屋などが並んでいました。
七里の渡しにたどり着いてすぐ、敷地内にあるお城のような水門統合管理所の建物に入ってみました。お城だと思っていたのは櫓で、この管理所は昔の蟠龍櫓を再現した外観に設計したのだそうです。二階に上ると外を眺める事ができます。展示室内には和紙が張られた蛤が飾ってありとても奇麗でした。
蟠龍櫓について桑名城には、元禄大火後に再建された時点で51の櫓があったと記録されています。このなかでも、川口にある七里の渡に面して建てられていた蟠龍櫓は、東海道を行き交う人々が必ず目にする桑名のシンボルでした。
歌川廣重の有名な浮世絵「東海道五十三次」でも、海上の名城と謳われた桑名を表すためにこの櫓を象徴的に描いています。
「蟠龍」とは、天に昇る前のうずくまった状態の龍のことです。龍は水を司る聖獣として中国では寺院や廟などの装飾モチーフとして広く用いられています。蟠龍櫓についても、航海の守護神としてここに据えられたものと考えられます。
水門統合管理所
櫓を出てからは現在料亭になっている本陣を見たり、お堀に沿ってぶらぶらと旧道を歩きました。その後の道は、曲がるところが多すぎて一筋縄ではいかない感じで、私は何度も地図を確かめながら行くしかありませんでした。
桑名のもう一つの見所、火の見櫓を見つけたときはほっとしました。そこからさらに細い道を歩いていきます。
国道に出たあとは朝日町の辺りで旧道でない道を行き過ぎて戻ったりしました。朝日町の裏道である旧道を行くと、ところどころに東海道と案内が出ているし、旧い家も残っているので行脚の気分が盛り上がります。
鉄道の高架をくぐり、どんどん歩き進みました。四日市の手前にも、国道から裏の旧道に入らなければならない箇所がありました。