シシリアで思いついたおとぎ話
2000-2011
/シシリアの春は美しい。
昔むかし、あるところに金持ちの男と貧しい女がいました。
ふとしたことで二人は出会い、恋におちたが、あとになって、お互いの境遇を知ると、男は言いました。
「それは残念だ。僕は裕福な人を探していたんだ。」
女は言いました。
「私もがっかりしたわ。お金のない人が好きなんですもの。」
しばらくして、男は言いました。
「それなら、僕のお金を全て君に捧げよう。そうすればお互いがお互いの理想の人になれるよ。」
もうひとつ
女が、男の部屋に招かれた。ベッド脇の机にある赤い便箋に、「貴方との夜が忘れられない、夜も眠れないくらい。」と書かれていた。
彼女は別の意味でその夜が忘れられなくなってしまった。 しかし数年経って、その時を考えると、それは、彼の顔を思い出せないほどの儚い記憶なのだった。
旅先で聞いた話
あるところに可憐な娘がいた。
彼女の恋人は、「君が好きで、ずっと傍にいたい。」そう言っていたが、娘が重い病気になると、一瞬でその娘から去ってしまった。
また、別のカップル、男は女に「一生おまえを守る。」という台詞を、よく口にしていたが、スピード狂で、自動車事故で死んでしまった。
フィヴィニャーナ島 シチリア島の西にあり、エーガディ諸島の1つ。トラパニから船で1時間ほど。レンタサイクルがあり、手つかずの自然を堪能できる。夏には海水浴も。